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DX発:動向ファイリング

2005年02月01日作成 

尾崎久紀

OASIS

●「UDDI v3.0.2」をOASIS標準として承認

- http://www.oasis-open.org/news/oasis_news_02_03_05.php 2005年2月3日、OASISのメンバーは、「Universal Description, Discovery, and Integration version 3.0.2(以下UDDI V3.0.2)」仕様をOASIS標準として承認した。以前から弊誌で紹介しているように、UDDIはWebサービスにおいて「発見」・「公開」・「登録」のための仕組みを決めている。UDDI V3.0.2では、レジストリ同士を関連付ける機能が加わった。

●SOAリファレンス・モデルを定義するための技術委員が結成

- http://xml.coverpages.org/ni2005-02-08-a.html OASISのメンバーは新しいSOA-RM TC(サービス指向アーキテクチャ・リファレンス・モデル技術委員)を結成した。この技術委員(TC)の目標は、SOA実装の継続的な増加を促進することである。

W3C関連

●W3Cが、国際化活動を開始

- http://www.w3.org/Internatio nal/ 2005年1月7日、W3Cは国際化活動の開始を発表した。国際化タグセット(ITS)ワーキンググループ(Internationalization Tag Set)は、文書の国際化とローカライズをサポートするための要素と属性を開発する。その他のワーキンググループは、国際化コア・ワーキンググループ(Internationalization Core Working Group)、および国際化ガイドライン/教育及び規定(GEO)ワーキンググループ(The Internationalization (I18N) Guidelines, Education & Outreach (GEO) Working Group)である(図1)。

●W3Cが、マルチモーダル・インタラクション活動を開始

- http://www.w3.org/2002/mmi/ 2005年1月18日、W3Cはマルチモーダル・インタラクション活動の開始を発表した。この活動は、Webとのユーザの相互作用をGUI、音声、視覚、ペン入力、およびジェスチャーといった複数のモードに拡張する。同活動により、限られたリソースしか持たない携帯電話やその他の装置および次世代のマルチモーダル装置に対して、豊富な機能を持たせることを可能にする。

●W3Cが、音声ブラウザ活動を開始

- http://www.w3.org/Voice/ 2005年1月18日、W3Cは音声ブラウザ活動を開始したことを発表した。この活動では、対話、音声合成、音声認識、呼制御および他の対話式音声応答アプリケーションのためのマークアップ言語を定義する。

●Webサービスに関連した仕様が勧告

2005年1月25日、W3Cは、XML-binary Optimized Packaging (XOP)を勧告として公開した(リスト1)。この仕様は、アプリケーションが XML 文書と一緒にバイナリデータをそのまま通信パケットに梱包する標準的な手段を提供する。同仕様は、巨大なバイナリデータの送信を実現する標準的な手段と機構を提供し、Web サービスのパフォーマンス向上に関わるこれら特定の問題を解決する。

【リスト1 XOPを使用したマークアップ例】
(出典:http://www.w3.org/TR/2005/REC-xop10
-20050125/)
MIME-Version: 1.0
Content-Type: Multipart/Related;boundary=MIME_boundary;
    type="application/xop+xml";
    start="<mymessage.xml@example.org>";
    startinfo="application/soap+xml; action=¥"ProcessData¥""
Content-Description: A SOAP message with my pic and sig in it

--MIME_boundary
Content-Type: application/xop+xml;
    charset=UTF-8;
    type="application/soap+xml; action=¥"ProcessData¥""
Content-Transfer-Encoding: 8bit
Content-ID: <mymessage.xml@example.org>


【リスト2 ソースのXMLドキュメント】
<cities>
  <city name="Milano"  country="Italia"      pop="5"/>
  <city name="Paris"   country="France"      pop="7"/>
  <city name="Munchen" country="Deutschland" pop="4"/>
  <city name="Lyon"    country="France"      pop="2"/>
  <city name="Venezia" country="Italia"      pop="1"/>
</cities>


【リスト3 変換結果】
<table>
  <tr>
    <th>Position</th>
    <th>Country</th>
    <th>List of Cities</th>
    <th>Population</th>
  </tr>
  <tr>
    <td>1</td>
    <td>Italia</td>
    <td>Milano, Venezia</td>
    <td>6</td>
  </tr>
  <tr>
    <td>2</td>
    <td>France</td>
    <td>Lyon, Paris</td>
    <td>9</td>
  </tr>  
  <tr>
    <td>3</td>
    <td>Deutschland</td>
    <td>Munchen</td>
    <td>4</td>
  </tr>  
</table>

●XSLT2.0のワーキングドラフトが公開
2005年2月11日、W3CはXSLT2.0のワーキングドラフトを公開した。XSLT1.0の追加仕様で、XPath2.0など関連する仕様も同時に公開された。
XSLTの追加仕様の例として、共通の値をベースにノードをグループ化するというものがある。以下、そのサンプルである(リスト2~4)。city 要素の属性countryの値が共通であるnameの属性値をグループ化している。

【リスト4 XSLTの記述】
<table xsl:version="2.0" xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform">
  <tr>
    <th>Position</th>
    <th>Country</th>
    <th>City List</th>
    <th>Population</th>
  </tr>
  <xsl:for-each-group select="cities/city" group-by="@country">
    <tr>
      <td><xsl:value-of select="position()"/></td>
      <td><xsl:value-of select="@country"/></td>
      <td>
        <xsl:value-of select="current-group()/@name" separator=", "/>
      </td>
      <td><xsl:value-of select="sum(current-group()/@pop)"/></td>
    </tr>
  </xsl:for-each-group>
</table>

●「World Wide Web 1.0の文字モデル-基本編」を勧告として公開

- http://www.w3.org/TR/2005/REC-charmod-20 050215/ 2005年2月15日、W3Cは、Webにおける文字の取扱いに関する原則 Character Model for the World Wide Web 1.0: Fundamentals(World Wide Web 1.0の文字モデル-基本編)を W3C 勧告として公開した。十分な合意の下に、Web アプリケーションが世界中の言語の文字を送受信あるいは処理する方法が明確化された。 本勧告は、Web 上での相互運用可能なテキスト操作について、技術仕様の設計者やソフトウェア開発者、コンテンツ制作者らが共有すべき指針となる。 また本勧告は、Unicode Standard 及び ISO/IEC 10646 によって定義される Universal Character Set に基づいており、文字 (character)、符号化 (en coding)、文字列 (string) といった用語の使用、参照処理モデル、文字符号化の選択と識別、文字のエスケープ、文字列中での符号位置といった項目が取り上げられている。 本勧告の目標は、W3C が掲げるユニバーサルアクセスの実現という目標に呼応し、言語や用字、書記体系、文化的な慣習に関係なく、世界中の全ての人々が容易に Web を利用できるようにすることである。

IETF

●W3CとIETFがWeb の国際的普及を促進する2仕様を公開

- http://www.w3.org/2004/11/uri-iri-press

release.html.ja 2005年1月26日、標準化団体のIETFとW3Cの協調により、RFC 3986, STD 66 Uniform Resource Identifier (URI): Generic Syntax 及び RFC 3987 Internationalized Resource Identifiers (IRIs)がIETFのインターネット標準及び標準化提案として公開された。 1998年に発行された仕様は、新しいURI仕様によって置き換えられる。幾つかの技術的な変更により、URI におけるホスト名指定に対し、国際化ドメイン名への対応が行われた。 IRI標準化提案では、利用可能な文字をUS-ASCIIの一部からUnicode/ISO 10646に拡張することで、資源の識別にコンテンツ制作者やユーザ自身が普段話している言葉を利用できるようにした。また、既存のシステム向けにIRI1をURIに変換する方法、様々な状況下でのIRI利用、セキュリティ対応なども盛り込まれている。

業界動向

TravelXMLの企業間商取引の実運用での利用が開始

- http://www.xmlconsortium.org/release/pdf/20050131-TravelXML_Use-Final.pdf

社団法人日本旅行業協会とXMLコンソーシアムで共同開発してきた、旅行業界内における各種旅行商品取引の標準規格「TravelXML」の実運用での利用が、2004年12月より開始した。 国内初のTravelXMLの利用が始まったのは、株式会社リクルートの国内の宿・ホテルの宿泊予約サイト「じゃらんnet」と、宿泊施設への予約データ配信サービスを行っているマップジャパン株式会社の「リザプリ配信」の間においてである。 今回の実運用においては、「じゃらんnet」のシステムが客からの旅館・ホテル予約を受けたあと、予約データをTravelXML変換にして「リザプリ配信」に送る。その後、「リザプリ配信」が一括して旅館・ホテルへの予約データ受信システムにデータ送信を行う。 「リザプリ配信」から宿・ホテル側へのTravel XML対応は、それぞれの宿泊施設がTravelXMLへの対応が可能となったところから随時Travel XMLへ切り替えてゆく予定である。

その他

●「セマンティックWebコンファレンス2005」が開催された

- http://www.net.intap.or.jp/INTAP/s-web/data/conference2005/data.html セマンティックWeb技術についての現状や将来の動向に関する講演、国内の民間企業関係者によるセマンティックWebを利用した研究プロジェクトの紹介やデモンストレーション等が行われた(写真1~3)。 【日時】2005年2月10日(木)     10:00~18:00 【場所】慶應義塾大学 北館ホール ●WWW2005が開催される - http://www.www2005.org/ 第14回WWW国際会議(略称:WWW2005)が日本で開催される(図2)。 これはWWW(World Wide Web)の最新技術動向についてのセッションやワークショップが設けられるカンファレンスである。W3Cのディレクタであるティム・バーナーズリー氏も基調講演を行う予定になっている。 【会期】2005年5月10日(火)~14日(土)     / 5日間 【会場】日本コンベンションセンター     (幕張メッセ) 【主催】 ・The International World Wide Web     Conference Committee     ・慶應義塾大学

標準化団体解説

◆ IETF (Internet Engineering Task Force)

TCP/IPなどのインターネットで利用される技術を標準化する組織。ここで策定された技術仕様はRFCとして公表される。インターネットの標準化を統括するIAB(1983年に設立された、インターネットに関する技術標準を決定する団体)の下部機関。

◆ XMLコンソーシアム

- http://www.xmlconsortium.org/ XMLコンソーシアムは、日本におけるXML、Webサービス、SOA関連の普及啓蒙、アプリケーション開発およびシステム構築の推進、ならびにXMLボキャブラリーの標準化を支援する非営利団体である。XML技術の普及啓蒙活動を推進してきた3団体を融合する形でオープンなコンソーシアムとしてXMLコンソーシアムを立上げ、2001年4月より本格的な活動を開始した。

◆ ANSI (American National Standard Institute)

- http://www.ansi.org/ 米国規格協会。1918年に設立された、工業分野の標準規格策定を行う機関。日本のJISのような機関。

◆ Open Mobile Alliance

- http://www.openmobilealliance.org/ モバイルデータサービスの採用を推進する団体。2002年6月に設立され、現在300社以上が参加している。






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