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「おサイフケータイ」を知る

2006年03月01日作成   1page  2page 

青木 基衣

「おサイフケータイ」という言葉も耳慣れてきた昨今ですが、いまいち知っているようで知らない存在になっていませんか?この記事ではおサイフケータイがあれば何ができるのか、デメリットは何かも併せて考えてみたいと思います。

おサイフケータイとは?

「おサイフケータイ」とは一言でいうと文字どおり“携帯電話”と“お財布”が合体したものです。つまりお財布の中身が携帯に入っているということです。
あなたのお財布には何が入っていますか?


◎ お金
・紙製
・金属製
◎ カード
・クレジットカード
・会員カード
・ポイントカード
・クーポン


などでしょうか。おサイフケータイではこれらが携帯電話の中に入ってしまいますので持ち歩く必要がありません。さらに、おサイフケータイはチケットや鍵にもなります。
おサイフケータイ端末はNTTドコモから「iモードFeliCa」、KDDIから「EZ FeliCa」、ボーダフォンから「ボーダフォンライブ!FeliCa」が販売されています。
技術的に言うと、おサイフケータイの実態は「FeliCa」+「対応アプリ」です。FeliCaとは電子回路と無線通信チップを内蔵したカードで読み取り機にかざしてデータをやりとりできるものです。FeliCaチップの中で独立したデータを管理することができますので、複数のサービスを相互運用することができます。さしずめミニミニPCといったところでしょうか。おサイフケータイは鍵になったり電子マネーになったりしますが、鍵になるには鍵アプリが、電子マネーになるには電子マネーアプリが必要です。このように対応アプリを増やすことにより機能を増やしていくことができます。さらに各アプリは通信機能を持っていますので携帯ならではの機能が実現します。(図1参照)


図1:おサイフケータイの仕組み

ちなみに、「おサイフケータイ」が正式な名前です。「お財布携帯」、「おサイフ携帯」ではありません。おサイフケータイ端末には図 2のロゴが付いています。


図2:おサイフケータイのロゴ

おサイフケータイでできること

◎ 買い物
“電子マネー”と呼ばれる携帯の機能で支払いをします。代表的な“電子マネー”には「SUICA」や「Edy」などがありますが、おサイフケータイにはそれらがすでに入っています。お金をチャージしておけば、専用の読み取り端末を置いたお店や交通機関、自動販売機などで携帯をかざすだけで買い物ができます。ちょこちょこした買い物をするのに小銭を出さなくてもよいというのはかなり便利ではないでしょうか。
さらに携帯の通信機能を利用して電子マネーの残高や購入履歴も確認できます。残高が足りない場合は、その場で通信を使ってチャージできます。
サービスに対応する店舗は、コンビニのam/pmやサークルKサンクス、マツモトキヨシなどがあります。自動販売機では日本コカ・コーラの「シーモ2」(図3)という名称の専用自販機が利用できます。Suica対応の自動販売機では、普通と逆でまず商品を選択してボタンを押し、それからモバイルSuicaをリーダーにタッチして清算します。Suica対応の自動販売機は、上野駅構内に数カ所設置されています。


図3:シーモ2

◎ チケット
電子チケットや電子クーポンとして利用できます。映画、コンサート、ライブ・イベント、交通(飛行機・電車・バスなど)、割引クーポンなどのチケット類を一括で管理できます。次のような流れで利用します。

ネットや携帯でチケットを購入
(おサイフケータイで決済も可)

購入したチケットを
ダウンロードして携帯に保存

ピットかざして利用

◎ 会員カード
メンバーズカードやポイントカードとして利用できます。ゲオ、マツモトキヨシ、ビックカメラ、ヨドバシカメラなどがおサイフケータイ対応ポイントカードを提供しています。

◎ 社員証・入管証
社員証・入館証として利用すると、勤怠管理や給与計算・シフト管理とも連動できます。
例えばJR東日本はSuicaと社員証が一体になった「社員証Suica」の提供を始めており、三菱電機が新本社ビルの社員証として採用しています。これは三菱電機が入居する東京ビルディングの入退館管理システムに対応しており、同ビルの入館証としての役割も果たします。

◎ 鍵
マンションや家の鍵として利用すると、かざすだけで開錠・施錠ができます。またコインロッカーの鍵としても利用できます。
例えばSuica対応のロッカーが上野駅しのばず口の脇にあります(小型は1日300円、中型は1日400円)。開いているロッカーに荷物を入れると支払い方法を聞かれるのでSuicaを選択します。金額を確認してモバイルSuicaをかざすと施錠されレシートが出てきます。取り出すときも現金かSuicaか聞かれますのでSuicaを選択し、モバイルSuicaをかざすと利用しているボックス番号が表示され開錠されます。ここで現金を選択した場合はボックス番号を入力する必要がありますがSuicaではSuicaのID番号でひも付けされているので番号の入力は不要です。開錠するには施錠したモバイルSuicaをかざす必要があります。

◎ 交通
航空会社では既にチケットレスのサービスが開始されています。JAL、ANAとも、おサイフケータイで予約・チェックインできます。ANAでは、空港の自動チェックイン機から搭乗券を受け取る必要がありますが、JALではそのまま「タッチ&ゴー」で搭乗ゲートまで通過できます。
JR東日本では携帯で自動改札が通過できるようになるモバイルSuicaが2006年1月から開始される予定です。

◎ ファイナンス
キャッシュカード・クレジットカードの機能があり、iモードを介して銀行口座から直接Edyを携帯電話にチャージしたりカード決済を行ったりするサービスがあります。現在おサイフケータイに対応したサービスがイーバンク銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、JCB、NICOS、国内信販、DC CARD、UCカードなどから提供されています。これらのサービスの中には、おサイフケータイや非接触ICカードを利用して小額のクレジット決済を行うQUICPayというサービスを利用しているものもあります。決済時に利用者のサインなども不要で便利です。

さて、ここまでで出てきたものをあなたのお財布から抜き取ってみると…… かなりスマートになったのではないでしょうか^^/?

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