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猿ジニア御用達ソフト ソフトウェアをより生活に密着させてみる

2006年11月01日作成 

普段使っているソフトウェアにはどの様なものがあるだろうか。メール、ワープロ、表計算、ウェブブラウザなどが主立ったものかもしれない。
これらを、仕事やプライベートで一つの道具として何気なく使うのも良いが、仕事の効率や生活をより向上させる目的で使い方を再考してみるのはいかがだろう。普段使っているものであっても、もう少し生活の中に関わらせ、より便利に使う方法を考えるのである。

Life Hacks

Life Hacksと言う言葉がある。近年一部の、特にデジタル分野に関わる人々の間で注目されている言葉である。
「仕事を効率よく果たしたり、生活の質を向上させるための小技」と定義できるが、とりわけその道具としてデジタル機器やインターネットを活用した方法が様々な仕方で提案されている。
そして、この分野で特に中心的な考え方となっているのがGTDである。 David Allenという人物が記した仕事術に関する”Getting Things Done”という本の略であり、紹介されている考え方自体はデジタルな道具でもアナログ的な方式でも実践できるものである。詳しい説明はこの本自身や邦訳(1) 、ウェブ上で見つけることの出来る様々な解説に譲るとして、まず簡単にこの方式を実践している人々が活用しているソフトウェアの一部を取り上げてみたい。

GTD実践に役立つソフトウェア

ソフトウェアと言っても、ウェブサイトの表現力が向上したおかげで、いまではOS上で実行するツールと、ウェブ上のサービスとの垣根は少なくなってきており、特にLife Hacksで用いられるものは後者が多い。

● チェックリストサービス

GTDは平たくいえば、昔から使われてきたチェックリストやToDoリストの使い方を体系的にまとめたものである。そのため、その手のサービスと相性がよい。
例 : 目標管理ツール - checkpad.jp
(http://www.checkpad.jp/)

● カレンダーサービス

GTDを実践するためにはスケジュール管理との連携も必要となってくる。このデジタル版がカレンダーサービスである。
例:Google カレンダー
(http://www.google.com/calendar/)
このほかにも、便利なウェブ上のサービスが次々と登場しているので興味のある方はGTDと共に調査してみてほしい。しかしこの記事の冒頭で触れたように、必ずしも新たなものを使いこなす必要は無い。使い慣れたものでも工夫すればLife Hackに繋がるのである。

普段使っているツールで…メーラー

その中でも特に注目したいのがメーラーである。
職種にもよるが、仕事に関連するほとんどの情報はメーラーを経由しメーラー内に蓄えられるといっても過言ではないだろう。メーラーは様々な情報の出入り口であり、情報の貯蔵庫なのである。そう考えると、メーラーを単なる「メールを送受信するためのツール」として何気なく使うのはもったいないと感じられないだろうか。
GTDの手順の中には、「未処理事項や頭の中のものをすべて1ヶ所に集める」という課程がある。すでにメーラーには様々な情報が流れ込んでいるのだから、そうした物も積極的にメーラーに流し込んでしまうのはいかがだろう。
出来るだけ全ての情報をメーラー上で一元管理した上で、それらの情報を元に自分の行動もメーラー上で管理するのである。


▲メーラーで情報を一元管理する

実践例

GTDの考え方を取り入れた具体的な方法を考えてみたい。まず、自分の頭の中に思い浮かんだアイディア、行動予定、買い物の予定、スケジュールなどなどを全て自分にメールする。メーラーには図のようなフォルダを追加する。


▲メーラーにフォルダを作る

メールを受信すると、通常のメールとともに、自分宛に送ったメールも受信するはずである。言わば、自分に関わる様々な情報が全てメーラーに入ってきた状態である。
そうしたら、受信箱のメールを下記のように振り分ける(2)。

  • ・自分の行動が必要なものを「ToDo」へ
  • ・他の人の行動を待つものは「待ち」へ
  • ・将来に実行したいと考えるものは「いつか」へ
  • ・少し複雑でそこから複数のToDoが発生するものは「プロジェクト」へ
  • ・指定日に行うべき物はスケジュール管理へ(手帳、googleカレンダーなど)
  • ・必要ないものはゴミ箱へ
  • ・その他のものは資料として他のフォルダへ

そうすると、受信箱は空っぽになり、ToDoフォルダに自分の行うべきメールが整理された状態になる。いつも受信箱を空にするように気をつけていれば、あとはToDoの中にあるものを片付けることに専念すればよい。片付けたものはゴミ箱に捨てても良いし、資料として残す場合は他のフォルダに移動する(3)。

実践してみると、行うべき作業自体に、より時間とエネルギーを集中出来るという効果に気づくだろう。メーラーはPCを立ち上げたときしか使用できないが、モバイル環境を整えgmail (4) などの大容量のメールサービスを利用したり、携帯電話とうまく連携させることで、より生活に密着した形で活用することもできる。

このように普段使っているメーラーをLife Hacksという観点から、より積極的に自分の生活に関わらせる方法について考えてみた。もちろんこれはあくまでも一つの例に過ぎないし、紙とペンを利用したメモなど既に使い慣れた方法があると思う。だが、普段使っているソフトウェアの使い方を少し見直してみる程度であればそんなに大きな抵抗は感じないだろうし、もしかしたら予想以上の効果を得られるかもしれない。(K.T.)


【脚注】
注1.仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法 (はまの出版)
注2.これはあくまでも例であって、分類の仕方は試行錯誤できる。詳しくはGTDの解説も参考にしてほしい。
注3.資料として残すメールの振り分けは、自動化しておくと便利である。
注4. http://mail.google.com/





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