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マインドマップで学ぶ技術者のためのシステムセキュリティ対策入門(第4回)

2008年04月01日作成 

梅原伸行

システム的なセキュリティ対策周辺を図解していく本連載ですが、今回は「マインドマップで学ぶ」という原点(?)に立ち返って、「マインドマップ作成ツール」について取り上げたいと思います。巷に「マップ・ツール」なるものが溢れていますが、皆様は何を使っておられるでしょうか?

フリー(無料)で手軽にマップを始められるものとして「FreeMind」 が有名です。「FreeMind」はJavaで作られていますので、Java実行環境があれば、WindowsのみならずLinuxやMac OS X 上でも稼働します。ただし、「子ノードを作成」のショートカットが「Ins」キーに固定されており、MacBookのように「Ins」キーのないマシンではマウス操作になってしまうという難点があります。(Windows PCなら支障ないのですが。)

フリー系マップ・ツールには、「Mindomo Free」 や「MindMeister BASIC」 もありますが、この二つはブラウザ上でマップを作成するウェブサービスとなっています。どちらも「FreeMind」および「MindManager」(後述)のファイルをインポートすることが可能であり、リッチなユーザインターフェイスも備えていますが、無償版は保存可能なファイル数が限られている等、制約があり、実務レベルで活用するには有料版を使うことになるでしょう。

フリーではないものの比較的安価でユーザ・エクスペリエンスを高めた製品もあります。国産マップ・ツールである「JUDE/Think!」(チェンジビジョン) は、「FreeMind」同様、Javaアプリですが、全体的な操作感はきびきびしており、思考スピードで美しいマップを作成していくことが可能です。「JUDE/Think!」のマインドマップ作成機能は、もともと「JUDE/Professional」に搭載されていた「マインドマップ図」を単品として切り出した製品で、筆者も「JUDE/Professional」の方で愛用しておりました。

「FreeMind」および「JUDE/Think!」は、フリーないし安価なマップ・ツールとはいえ、日進月歩で表現力や付加的な機能を強化しており、個人で利用するには必要十分と思われますが、「マップでプレゼン資料を作成する」など、ビジネスの現場で活用するには、それなりのツールが必要です。

米MindJetの「MindManager」 は、マップ・ツール界の「Microsoft Office」的な存在であり、マップ・ツールとして機能が完成しています。「MindManager」はWindows版とMac版でそれぞれ「7」までバージョンを重ねてきましたが、Javaアプリではないので、Java系マップ・ツールと比較するとアプリの起動およびキー操作の点で軽快感があります。

加えて、Windows版の「MindManager PRO 7」 は、単なるマップ・ツールにとどまらず、作成したマップの「PowerPoint」プレゼンテーション出力、「Visio」プロセス図への変換、「Project」連携によるプロジェクト管理など、「Microsoft Office」関連製品との連携による「ビジネス・リレーションシップ」機能が強化されています。もっとも、「何でもマインドマップの世界に取り込みたい!」というビジネスパーソンでなければ、こうしたリッチな機能は必ずしも必要ではないわけですが、純粋なマップ作成であれば、エントリーモデルの「MindManager LITE 7」 で十分と思われます。なお、Mac版である「MindManager 7 Mac」 は、機能的には「PRO」と「LITE」の中間に位置しており、「MS Office連携」機能はないものの、完全にMac環境にカスタマイズされており、現時点の筆者愛用マップ・ツールとなっています。 

さて、今回は「マップ・ツール」周辺(というか「MindManager」)の話題となってしまいました。フリーのものはともかく、有償のもの はトライアル版がありますので、まずは使用感を十分確かめてから購入することをお勧めいたします。最後に「MindManager 7 Mac」を使って描いたサンプル・マップを示します。(「N700系」 のコメント以外、本稿のテーマと関係ありませんが。。)


【脚注】
1. 
http://freemind.sourceforge.net/wiki/index.php/Main_Page
2. Mac OS XはBSD UNIXの流れを汲んでおり、Javaはもちろんのこと、Linuxなど他のUNIXのソフトウェア資産を比較的容易な移植で使うことができる。余談だが、WindowsではパーソナルWebサーバとしてIISが起動するのに対し、Mac OS XではApacheが起動する。
3. 
http://www.mindomo.com 有料版は月6ドル。
4. 
http://www.mindmeister.com 有料版は月4ドル。
5. 
http://jude.change-vision.com/jude-web/product/think.html 3150円
6. しかし、「JUDE/Professional 5.1」をMac環境で稼働させると「FreeMind」同様、「Insキー問題」があったため、筆者は後述の「MindManager」に乗り換えてしまった。もっとも、「JUDE/Professional」はMac対応を正式表明しておらず、「JUDE/Think!」Mac版では解決していると思われる。
7. 
http://www.mindjet.jp/ 
8. MindManager PRO 7:54,600円(Windows版のみ)
9. MindManager LITE 7:15,540円(Windows版のみ)。「PRO 7」のうち、「PowerPoint」エクスポート機能は有用と思われるが、「LITE」には含まれていない。
10. MindManager 7 MAC:20,790円
11. とはいえ、MindManagerにもMac版では色付けの動作などに癖があり、操作性が完璧とは言えない。
12. 有償のものとして、他にも「iMindMap」、「MindMapper」、「マップイッ!」、「NovaMind」などがある。
13. 
http://n700.jp/





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