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漢字のススメ~中国語に訳されるパソコン用語

2006年03月01日作成 

池田麻子

中国を代表するIT企業「聯想(lenovo)」をご存知でしょうか?聯想は去年、IBMのPC事業を買収し、提携することでパソコン販売台数世界第3位となりました。このニュースにより「聯想(lenovo)」を初めて聞いた人も多いかも知れません。聯想は2006年トリノ、2008年の北京の両オリンピックにて公式スポンサーとなり、コンピュータ機器を提供することになっています。世界各地からの観光客や、テレビでの宣伝により知名度を上げる効果を狙っているようです。オリンピックではスポンサー広告の「聯想(lenovo)」にも注目してみてはいかがでしょう?

会社の創業者は「伝説」を創るべく、英語の"legend"を社名にし、その中国語の音訳として「聯想(リェン・シァン)」の文字をあてたという説があります。しかし"LEGEND"というこの種の普通名詞は、どこの国でも既に商標として登録済みで使えないことがわかり、Legendの「Le」を残してその遺産に敬意を表すとともに、その後ろにラテン語で「新しい」を意味する「novo」を付け社名を変更しました。
中国では「聯想」同様、英語の他に中国語の企業名が存在する事もあります。外来語よりも中国語の単語の方が普及する、という傾向もあります。日本語にはカタカナがあるため、外来語を訳さずとも聞いた音で表記し使う事ができます。しかし、カタカナばかりであると理解できないこともあります。

コンピュータ関連の用語の中にはたくさんの外来語が存在しています。例えば、「バーチャルPCにWindows 2003 Serverをインストールし、アップデートをかける。OS上にOffice2003をインストールして、アクティベーションをする。バーチャルPCの電源を落としてハードディスクをローカルの環境に別名保存する。」英語が分かる人なら想像がつくかも知れませんが、コンピュータに親しんだことのない方は「?」となるはずです。前文で出てきたカタカナは中国語ではどのように表示されるのでしょうか。「バーチャルPC:虚偽PC」「インストールする:安装」「アップデートする:更新」「OS:操作系統」「アクティベーション:激活」「ハードディスク:硬盤」「ローカル:本地」ちなみに商標でさえ「ウィンドウズ:視窓」という単語が存在します。他にもうまく訳されている語句が多数あります。「ウイルス:病毒」「フリーズ:死機」「右クリックする:右撃」「ダブルクリックする:双撃」「メモリースティック: 記憶棒」「マイクロソフト:微軟」「マック:苹果機」(苹果の意味はリンゴ)。
発音からその単語を表現する場合にも漢字を当てます。例えば「Eメール:伊妹儿(イーメェー)」商標になっているものでは「Yahoo:雅虎(ヤァフゥ) 」「インテル:英特尓(イントゥアー)」「アドビ:奥多比(アオトウォビィ)」

音訳と意味の両方で漢字を当てている例もあります。「ハッカー:黒客(ヘィクゥ)」(悪者というイメージを表現)「ペンティアム:奔騰(ベントゥン)」(疾走という意味)

中国語をさほど勉強していなくとも、この面白さを分かるのは同じ漢字を使う日本人だけだと思うと、少し中国語に親しみが湧いてこないでしょうか?多くの最新情報が飛び交う中で、外来語の意味をうまく盛り込んだり、発音から漢字を当てたり、新語を次々に作り出す中国人の能力にはとても驚きます。パソコン業界の今後の新語や商標にどんな中国語名が付けられているのか、漢字に注目してみると意味が理解しやすくなったり、面白い発見があったりするかもしれません。(図1参照)


図1:中国語の「コントロールパネル」。アイコンから、何の項目か想像つくでしょうか?



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