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「特定保健用食品」の上手なとり方

2009年03月01日作成 

管理栄養士 森山 美年子 先生

 

「特定保健用食品」は、体の生理的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、その有用性、安全性など国(厚生労働省)の承認をえたものです。

特定保健用食品と明記され、「血糖値が気になる方」「コレステロールが気になる方」「体脂肪が気になる方」「血圧が気になる方」などと表示がされています。大切なのは、薬のように食事とは別にとるのではなく、毎日の食事の中で一つの食品として上手に取り入れていくことです。

利用する場合の注意

次にあげる点を必ず確認して守りましょう。

  • 一日当たりの摂取目安量
  • 摂取方法
  • 摂取上の注意事項


たくさんとれば効果が上がるものではありません。薬とは違い即効性はないので、継続的に利用して様子をみましょう。

特定保健用食品の種類と注意

● 血糖値が気になる方
血糖値を下げるのではなく、食事後の糖の吸収をおだやかにする(難消化性デキストリン、小麦アルブミン、グアバ葉ポリフェノールなど)

● コレステロールが気になる方
コレステロールを下げるのではなく、上げにくくする(大豆たんぱく質、キトサン、植物ステロールなど)

● 体脂肪が気になる方
脂肪が落ちるのではなく、脂肪がつきにくくする(ジアシルグリセロール、グロビン蛋白分解物など)

● 血圧が高めの方
血圧を下げるのではなく、上げにくくする(杜仲葉配糖体、かつお節オリゴペプチドなど)

体にいいといわれる食品でも、過剰にとるとカロリーやその他の栄養成分の過剰摂取になり、逆にマイナスに働いてしまいます。購入を考えるときには必ず表示を見て自分の体調に合わせて選びましょう。同じ表示内容でも含まれる保健機能成分は異なる場合もあるため、効果が見られなければ、他の商品に変えて利用するのもよいでしょう。

一番効果があるのは、野菜たっぷりの三食の食事をゆっくり食べることと運動すること(歩くだけで十分です)です。「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを。」の表示の義務付けが、平成17年2月1日に施行されています。

本来、健康食品にバランスの良い食生活と適度な運動以上の大きな役割を求めるのは無理な話です。まずは自分の生活習慣(食習慣、運動習慣など)を振り返ってみませんか?

正しい知識と正しい見かたでご自分に本当に必要なものかどうか、考えてみましょう。また、現在糖尿病や高血圧、脂質異常症などで治療中の方は薬との飲み合わせが問題になる場合もありますので主治医にご相談ください。



図1:厚生労働省の承認を得たものに付される許可マーク



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