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ニューヨークの楽しみ方

2009年03月01日作成 

2008年8月末、家族旅行でニューヨークに行きました。18年ぶりのニューヨークは個人旅行です。乗り物の手配、ホテルやレストランの予約、費用計算などをすべて自分で行う必要がありましたが、それはそれで楽しいものでした。現地では幾つかのハプニングもありましたが、みな楽しい思い出です。その幾つかをご紹介したいと思います。(K.N)

電車の楽しみ方

ニューヨークの交通機関といえば、地下鉄が有名だと思います。18年前には治安面でかなり緊張しながら乗車した記憶があります。今回はブルックリン(Brooklyn)のホテルに宿泊したこともあり、頻繁に地下鉄を利用しました。乗車時間帯や地域によっては安全に配慮する必要があると思いますが安心して利用することができました。しかし、土日や祝日は工事のために路線や駅の閉鎖などがあって運行状況が変わることが多いようです。実際に私たちも想定外の乗り換えが必要になりましたが、係員の方がホームで親切に教えてくれて迷うことはありませんでした。

今回、ブルックリンのホテル以外に、ブロンクスビル(Bronxville)という閑静な住宅地に住む知人宅にも宿泊しました。そこはマンハッタンのグランドセントラル駅からメトロノース鉄道(MTA: Metro North Railroad)のハーレム線(Harlem Line)に乗車し北に30分ほど向かったところです。

さて、この鉄道ですが、最初は乗り方に戸惑いました。なんと改札口がないのです!地球の歩き方によればグランドセントラル駅は日に約660本の列車が発着しているマンハッタンの主要駅の1つなのですが。ちなみにブロンクスビル駅にも改札口はありませんでした。日本で改札口がないのは無人駅ぐらいですよね。

では、その乗り方です。切符を購入し、目的駅に停車する列車の時刻とホーム(TRACK)番号を確認したら列車に乗りましょう。定刻になると列車は発車します(当たり前ですが)。このあとが日本とはちょっと違います。しばらくすると車掌が回ってきて切符を検札します(切符を買っていなければ、駅より少し割高ですが、この時に購入もできます)。ちなみに、私の場合は家族の分をまとめて見せたので、シニア(両親)×2人、子供×1人、大人×3人と言う必要がありました。何と、車掌は検札が済むと切符を回収してしまいます(子供のお土産にくれた車掌さんもいました)。そして、代わりに行先を書いたタグを座席シートの背の上に挿してゆきます。目的地の駅にも改札はありませんから、電車を降りたらそのまま外に出ることができます。

このようなシステムなので、列車には複数の車掌(女性の方もいました)がいて、それぞれ担当する車両が決まっているようでした。また、原則として検札の後は座席を移動しないほうがよさそうですし、事情があって移動する場合には行先タグも一緒に移動する必要があると思います。

余談ですが、地下鉄にも列車にも自転車を持ち込むことができます。日本では専用の輪行袋などに入れれば手荷物として持ち込み可能ですが、ニューヨークでは袋に入れたり、そのために分解することもなく、そのまま持ち込みOKなので羨ましいかぎりです。次回は愛車を持参するぞ!っと思いましたが実現するでしょうか。

野球の楽しみ方

「ルースが建てた家」とも言われ、数々の名勝負が繰り広げられたヤンキースタジアムが、85年の役目を昨年で終えたことをご存じでしょう。今回の旅行の目的の一つはその「THE FINAL SEASON」の最終戦から数えて11戦目であるヤンキース vs オリオールズ戦をホットドッグを片手にビールを飲みながら観戦することでした。残念ながらヤンキースは負けてしまいましたが、足の怪我から復帰中の松井選手が2塁打を打つ雄姿を見ることができました。あわやホームランという当たりもありましたが、ご本人曰く「打った瞬間、角度が悪かったのでホームランではないと思った」そうです。

メジャーリーグの試合でも日本の野球とは違う点を発見しました。例えば、私が観察した限りでは、ビールやホットドッグの売り子のほとんどは中高年の男性でした。そして重い商品を頭の上に載せて運んでいる人が多かったと思います(日本では若い女性が商品の入った箱を肩紐でつって販売している姿を多く目にします)。また、客層も小さな子供からお年寄りまで日本に比べて年齢層の広さを感じました。そして、皆さん本当に試合を楽しんでいます。ほとんどがヤンキースファンの方ですが、対戦相手のファインプレーには惜しまず拍手をします。ベースボールを楽しんでいるなーと感じました。

最近の日本では東京ドームの「エキサイティングシート」のように客席をフィールドの中に設けたり、ネットを低くして観客が選手との一体感を楽しめるような工夫をする球場が増えてきました。多くの球団や球場がメジャーリーグの「Baseball Park」をお手本にしているといわれています。ヤンキースタジアムでネットが張られているのはバックネット方向だけでした。言うまでもありませんが、ファールボールが観客を直撃することがあります。弓なりな打球であれば避けられますが、かなり鋭い打球の場合...想像に難くありません。

実際に何回か、かなり鋭くとても避けきれないスピードのファールボールが観客を強襲しました。ボールが当たった人の周りは騒然とし、みな心配そうです。すぐに球場係員が駆け付けます。その後はじつにアメリカらしいと思いました。幸いひどい怪我ではなかったからだと思いますが、当たった方は何度もこぶしを空に向かい突き上げ激しくガッツポーズしながら応急処置のために座席を離れてゆくのです。そして、その周りの人も道行く通路付近の人も、遠くから見ていた人も拍手で送り出します。日本ではなかなかお目にかかれない光景ではないかと思います。
試合後には個人的に松井選手と会うことができました。洋服に隠された強靭な肉体、スター選手の持つ独特のオーラが放たれていました。握手をしましたが音楽家みたいに柔らかい手だったのが意外でした。試合前にオフィシャルショップで松井選手のユニフォームを探したのですが残念ながらサイズがなくて買わなかったため、ユニフォームにサインしてもらえなかったことが今も心残りです。

ニューヨークを旅して発見した日本との違いを少しご紹介しました(すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね)。長時間の飛行時間、時差、言語や考え方の違いなどで少しの疲れは感じたものの、充実していて満足感が高く、思い出深い旅行を楽しむことができました。
日本国内にも接したことのない文化や行ってみたいところがたくさんあります。しばらくは、なかなか海外旅行に出掛けられないかもしれませんが、国内を旅行して新たな出会いや新たな発見を楽しみ、視野の広い見方ができるようになりたいと思っています。

皆さんはいかがですか?



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