ホーム  > X-plus >  XML & パブリッシング

この記事を送る はてなブックマークに追加する
テキストリンクコードを取得する

InDesign攻略術:第3回 開発者が知っておきたいInDesign基礎知識-2

2001年08月01日作成 


(株)日本ユニテック
天野 忍

<この記事はDigital Xpress 2001 Vol.4(8-9月号)に掲載されたものです>

前回までのところでInDesignのプラグインに関する調査と,プラグイン開発に必要なSDKのインストールまで話を進めることができた。今回は引き続き開発環境を整えて,サンプルプログラムをビルドするところまでその概略を追ってみたい。

インストールされるSDKのファイル

前回で概略を触れたが,インストールされる環境は図1の通りである。BOSSやインターフェース,ウィジェットといった独特の用語が出てくるが,それらは次回できれば解説したいと思う。

<図1>

拡大して見る

いくつかのドキュメントは日本語版が用意されており,当たり前のことかもしれないが歓迎できることだ。なにしろFrameMaker周りのドキュメントときたら・・・まぁ,それはともかく膨大なデータとドキュメントがインストールされるので,できれば時間を取って一読することをお勧めしたい。

開発環境の整備

さて,今回はWindows環境でのサンプルプログラムのビルドを通して,SDKの動作とプラグインの検証を行なった。参考までにテストマシンのスペックを述べておくと,

  • CPU:Pentinum3 850Mhz
  • メモリ:256MB
  • HDD:30GB(空き:15GB)
  • OS:Wndows2000(SP2適用済み)
  • ソフト:InDesign1.0J MS Visual C++6.0(SP5適用済み)

というものである。読み込むプラグインの数はInDesignの起動速度を直撃するので注意していただきたい。

ビルド手順


では,実際にプラグインをビルドする手順を追ってみよう。

1. Visual C++ 6.0 を起動する。

2. メニューから[ファイル]-[ワークスペースを開く]を選択し,SDKをインストールしたディレクトリの(標準ではC:\Program Files\Adobe\Adobe InDesign 1_0J SDK)の[SampleCode]にあるBuildExamples.dsw を開く(このファイルはマスターワークスペースファイルであり,InDesign SDKに含まれる全てのプラグインをコンパイルすることができる)。

3. メニューから[ビルド]-[バッチビルド]を選択し,表示されるダイアログボックスで[全てをビルドしなおす]ボタンをクリックする。

4. いくらか時間を要するが,正常に終了すると SDKをインストールしたディレクトリの[SampleCode]-[BuiltPlugins]-[Debug]にすべてのプラグインができ上がっているはずである。ちなみにInDesignのプラグインは"*.pln"と拡張子がつけられるので確認して欲しい。

5. コンパイルされて生成されたプラグインファイルをInDesignがインストールされたディレクトリ(標準ではC:\Program Files\Adobe\InDesign 1.0J)の[Plug-ins]フォルダにコピーする。これによりInDesignの起動時にプラグインファイルが組み込まれることになる。

6. InDesignを起動し,プラグインの環境を確認する。ここではAdobeお得意の"HelloWorld"プラグインをサンプルとして起動してみる。起動するといってもプラグインボックスから選択し,メッセージが表示されるだけだが,無事に確認することができた。(図2図3

<図2>

<図3>




7.開発したプラグインは「プラグインの情報ダイアログボックス」から詳細情報を読み取ることができる。(図4図5

<図4>


<図5>

このように提供されるSDKを使用し,サンプルのプラグインをいろいろと試してみて,より理解を深めることが出来るだろう。






ページトップへ戻る