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永井紀章
宴会に目的意識を持って臨む方は少ないかもしれない。しかし、戦国時代の武将たちは常に目的意識を持って宴会や茶会に臨んだ。秘密の作戦を話し合う、敵の腹をさぐる、相手を仲間に引き込むと言った健全なものから、果ては宴会場での暗殺、と言った物騒なものまであるが、とにかく彼らは必ず目的意識を持って宴会に臨んだ。無意味に浮かれ騒ぐことなど無かったのである。
我々IT戦国武将も宴会合戦に参戦する前に、参加の目的を良く考える必要がある。例えば、
などである。
ではそれぞれの場面において、戦国時代の作戦を交えて一つずつ見ていきたい。
一つの任務を粘り強く確実に遂行する人物はいつの時代でも重宝される。そのような自分をアピールするには宴会はもってこいの場である。偉い人の横に座ったなら、かの上杉謙信候も用いたと噂される『ビール車懸りの陣』を繰り出そう。車の車輪のように、休み無くビールを注いで敵に休む間を与えず、ついには敵陣を破る戦法である。相手が一口でも酒を飲んでコップを下に置く瞬間に、もう次のビール注ぎを繰り出すのである。これで偉い人にあなたの粘り強さを存分にアピールできるだろう。
ただし相手がコップにいっぱいのビールを残したまま生グレープフルーツジュースや烏龍茶を頼んだのを見たら、もうやめた方が良い。
図1:ビール車懸りの陣
結束を高めるには皆で一つの目標を達成するのが一番良い。例えばチーム一丸となり、酒が弱いチームメンバーを、酒を注ぎに来る輩から守るなら、チームの結束強化はまちがいない。
これにはかの武田信玄候も部下の結束を図るために多用したと言われる『宴会テーブル鶴翼の陣』が最適である。酒に弱いメンバーの周りに他のメンバーが鶴の翼のように布陣し、攻めて来る敵のビールを途中で使い果たさせてしまおうと言う壮大な作戦である。
図2:宴会テーブル鶴翼の陣(右から見たところ)
これは酒の勢いを利用し、偉い人から給料アップのお墨付きをいただいてしまおうと言う、うらやましい作戦である。
しかし、狙った人の席の隣りに座れるとは限らない。さてどうするか。古来、武将たちは交通の要所を抑えることに力を注いできた。人や物の行き交う場所は富を生み出すからである。そこで我々も宴会における交通の要所はどこか考えたい。
酒を飲んだときに人々が行き交う場所と言えば、それはトイレに他ならない。その要所に陣取り、トイレに行こうとする首脳陣から通行税ならぬ、給料アップのお墨付きをいただく、と言う訳である。嫌がる場合は図のように、いただくものをいただけるまでは断固として通さない決意が重要である。
図3:交通の要所で通行税を取る
もう一つ注意すべき点は、きちんと書面にしておくことである。口約束では後日忘れられているのは明白だからである。あらかじめ書面を作成しておき、偉い人のサインを頂戴すればスムーズである。
図4:お墨付き用の書面(サンプル)
宴会とは、明日の自分を賭けた戦いの場である。皆様も目的意識を持って宴会合戦を勝ち抜いて欲しい。