ビギナーズコーナー:XMLツールガイド (3)
2001年09月07日作成
今回はXMLデータの表示や出力のために使うツールについて説明します。
XMLを視覚化するためには、フォントの大きさや種類、あるいは紙面や画面上のどこに文字や図を置くかを決める必要があります。XMLのデータにこのようなスタイルをつけて出力するためにXSL(Extensible Stylesheet Language)という仕様があり、XSLでは出力処理を2段階に分けて考えることになっています。 1段階目では元のXMLデータの構造を変換し、2段階目では実際の紙面や画面にデータを割り付ける処理(フォーマット)を行います。
図4. XSLにおける出力の考え方
XMLデータの変換に用いられるツールはXSLT(XSL Transformation)プロセッサと呼ばれます。XSLプロセッサと呼ばれることもあります。XSLTの文法に従って変換用の情報を作ってXSLTプロセッサに渡せば、XMLデータの変換を行うことができます。
XSLが定めているフォーマット用の構造は、XSL-FO(Formatting Object)と呼ばれています。ただし、これをフォーマットするには、XSL-FO専用のアプリケーションが必要です。それで現在、もっともよく用いられているのは、HTMLに変換し、そのままブラウザで表示させる方法です。この方法なら、画面に文字を並べる処理も印刷用にページを区切る処理もブラウザがすでに持っている機能を活用できるので、2段階目の処理であるフォーマットを特に考える必要はありません。また、各社の携帯電話やPHSに合った表示用言語C-HTML、MML、HDMLなどに変換すれば、それぞれの機種で表示を行うことができます。 しかし、印刷物として体裁を整えるにはこれだけでは不十分であり、フォーマット処理が必要となります。
この記事の第2回「XMLデータ作成・編集ツール」の中でワープロなどのデータからXMLデータを生成するコンバータについて述べましたが、出力時には逆向きのコンバータを使うことができます。たとえば、XMLデータをワープロやDTPソフトのデータ、あるいはTeXなどの組版用データに変換すれば、それらのソフトウェアの出力機能を活用できるわけです。
今後、直接XMLを扱えるDTPや、XSLに直接対応した出力用ツールが充実してくることが期待できることでしょう。