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【リレーコラム:XMLの今と未来】 XMLを活かす!XML対応ツール

2001年10月18日作成 

富永公一


 前回のコラム「ビジネスにおけるXMLのメリットとは?」では、XML導入がビジネスにもたらすメリットを考慮することができた。XMLに想像以上の可能性やメリットがあることに気づいていただけただろう。私も、XMLやXSLT等の講師として、今、XML対応してゆくことのメリットをお客様にお伝えしているところである。

 受講者の皆さんと接していて、最近気づくのは、XMLがブームとなっている現在、「XMLさえ、マスターしていれば、何でもできる。」「XMLさえ勉強すれば大丈夫!」あたかもXMLを万能薬として考えておられる方も中にはいらっしゃるということだ。しかし、ご存知の通りXMLだけマスターしても、XMLをビジネスに活かすことはできないのである。

 XMLのビジネスにおけるメリットを最大限に活かすために、私たちが是非とも始めに理解しておきたい点は、「XMLにはどんな対応ツールがあるのか。」ということである。

 今日、有償・無償のXML関連ツールが数多く出回っている。XML導入にあたっては、すべてを新規開発する代わりに、それらのツール活用を検討することが大切である。

 そこで、今回のコラムは、XMLを活かす、XML対応ツールにスポットを当ててみることにしよう。薔薇の花のごとく注目を集めているXMLは、「されどXML」しかし、ひいて言ってしまえば単なるデータ、「たかがXML」であり、かすみ草のごとく周辺に存在するXML対応ツールがあってこそ、XMLそのものが注目に値する規格になれるのだ、ということをご理解いただけるだろう。

XML対応ツールとして、今回は以下の4つの分野を概説する。
1)XMLプロセッサ(または、XMLパーサー)
2)XMLデータ変換ツール
3)XMLエディタ
4)XML対応データベース

1.XMLプロセッサ(または、XMLパーサー)

 XML文書のタグ付けやDTDを解析するためのソフトウエアのこと。XMLで書かれたXML文書は、まずXMLプロセッサによって正しく記述されているかどうかチェックされる。その後、XMLプロセッサは、例えばツリー構造など、データをアプリケーションが処理しやすい形にして、アプリケーションに渡してくれる。

2.XMLデータ変換ツール

 今まで使用していたドキュメントをXML文書に変換する時に利用するのが、XMLデータ変換ツールである。ワープロ文書のみならず、HTML文書、SGML文書などをXMLに変換することができる。

3.XMLエディタ

 何らかの別の形式の文書からXML文書に変換するのではなく、はじめから、XML文書を作成してゆく時に便利なツール。

4.XML対応データベース

 XML文書の量が多くなると、膨大なXMLデータを管理するためのデータベースが必要になってくる。データベースから見ると、タグを見ればデータの意味がわかるXMLという規格は望ましい規格であると言える。最近既存のRDB(リレーショナルデータベース)や、ODB(オブジェクト指向データベース)の中でXML対応するものが出てきている。

 では、具体的にそれぞれのツールには、どんな製品があるのだろうか。幾つかご紹介したいと思う。詳細は、各製品のURLを参照していただきたい。


<XMLプロセッサの代表例>

まず、よく知られているXMLプロセッサの代表例をあげる。

A. MSXML http://www.microsoft.com/japan/developer/xml/
Microsoft社が開発したXMLプロセッサ。

B. IBM XML Parser http://www.alphaworks.ibm.com/tech
IBM社のXMLプロセッサ。

C. Oracle XML Parser http://otn.oracle.co.jp/
Oracle社が提供しているXMLプロセッサ。

D. xerces http://xml.apache.org/xerces-j/
Apache XML Projectの一部として開発されているXMLプロセッサ。


<XMLデータ変換ツールの代表例>

XMLデータ変換ツールの代表例は下記の通りである。

A. iMaker for Excel http://www.infoteria.com/jp/
XML⇔Excel変換のためのツール。

B. ウルトラXMLコンバータ http://www.thinkplan.co.jp/
Microsoft WORD文書および、RTF文書を任意のDTDファイルに基づいたXML文書に変換。



<XMLエディタの代表例>

次に、XMLエディタの代表例をあげてみる。

A. XMLSpy http://www.toshiba-it.co.jp/xml/
XML文書作成用エディタ。ツリー構造で表示ができる。

B. iPAD http://www.infoteria.com/jp/index.html
ツリー構造で表示ができる。


<XML対応データベースの代表例>


A. SQL Server 2000 http://www.microsoft.com/Japan/SQL/
リレーショナル データベース管理システム。

B. eXcelon http://www.exln.co.jp/product/
通信機能なども含めた統合サーバ。


 今回のコラムでは、XMLプロセッサ(または、XMLパーサー)、XMLデータ変換ツール、XMLエディタ、XML対応データベースなど、XMLを活かす上で必要となってくるツールを簡潔に紹介することができた。(さらに詳しい情報を得たいと思われる方は、是非、XML Tool Guideを参照していただきたい。)

 繰り返しになるが、極端な言い方をしてしまえば、XMLとは、単なるデータにすぎない。それをどう活かし、どう引き立てるかは、XML対応ツールをいかに使いこなすかにかかっている。そして、現時点では、全てのXML対応ツールを一から開発するよりも、すでに存在しているツールを利用してみる方が合理的であると言えよう。XMLの未来、それは、XML対応ツールの未来と共にあるのである。




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