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スタンダーズコーナー:OASIS規格解説 「CAP」

2004年06月22日作成 

OASIS規格解説
CAP (Common Alerting Protocol)
   

(株)日本ユニテック
青木 秀起

CAPとは、緊急時の警報情報を交換するためのフォーマットで、2004年5月にOASIS標準として承認されました。 (http://www.oasis-open.org/committees/download.php/6334/oasis-200402-cap-core-1.0.pdf)

CAPとは?

CAPは、災害警告情報交換フォーマットです。さまざまな災害警告情報を収集し、ローカル/地域/国家レベルで、情報管理および警告提供システムに通知するために使用されます。既存のメッセージフォーマットを始めXMLやWebサービスとも互換性があり、警報メッセージフォーマットSAME (Specific Area Message Encoding) とも互換性があります。異なる警告システム間で交換できる共通フォーマットCAPを利用することで、コストや複雑な操作が削減することが期待されています。

CAPの構造

    図1 CAPの構造


・ alert:必須要素。現行メッセージについての基本的な情報を提供する。その目的、ソース、状況、IDなどの情報を含める。1つ以上のinfo要素を含む。
・ info:必須要素。予想される事象や実際の事象について、緊急性 (urgency)、重大性 (severity)、確実性 (certainty) を記述したり、分類分けしたりテキストで記述して表現する。
・ resource:任意選択。イメージファイルや音声ファイルなど、info要素に関連する付加的な情報への参照を提供する。
・ area:必須要素。info要素が適用される地域を記述する。

CAPの記述例

リスト 重大な雷雨警報

<?xml version = "1.0" encoding = "UTF-8"?>
<alert xmlns = "http://www.incident.com/cap/1.0">
  <identifier>KSTO1055887203</identifier>
  <sender>JPN@WEATHERF.TWR.JP</sender>
  <sent>2004-07-12T17:24:00-09:30</sent>
  <status>Actual</status>
  <msgType>Alert</msgType>
  <scope>Public</scope>
  <info>
    <category>Met</category>
    <event>SEVERE THUNDERSTORM</event>
    <urgency>Immediate</urgency>
    <severity>Severe</severity>
    <certainty>Possible</certainty>
    <eventCode>same=CEM</eventCode>
    <expires>2004-07-12T19:00:00-09:30</expires>
    <senderName>NATIONAL WEATHER FORECAST TOWER TOKYO</senderName>
    <headline>SEVERE THUNDERSTORM WARNING</headline>
    <instruction>GO HOME BY16:00</instruction>
    <contact>JORDAN.G</contact>
    <area>
      <areaDesc>EXTREME OSHIMA</areaDesc>
      <polygon>24.33,-225.42 11.14,-44.23 66.52,-222.55 43.21,-908.77 22.55,-256.21
      </polygon>
      <geocode>fips6=006005</geocode>
      <geocode>fips6=006109</geocode>
      <geocode>fips6=006303</geocode>
    </area>
  </info>
</alert>

まとめ

アメリカでは異なる警告システムがいくつも存在しており、それらを統合したいというニーズにより開発された仕様のようです。CAPで書かれたデータを変換し、TV、ラジオ、電話、ブラウザなどさまざまなチャネルを使ってすぐに配信できるようになれば、その効果は大きいといえるでしょう。




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