OASIS規格解説
DSML (Directory Services Markup Language)
2004年2月10日
(株)日本ユニテック
青木 秀起
DSMLとは、XMLを使ってディレクトリ・サービス情報を記述する言語です。2001年11月にv2.0がOASIS標準として承認されました。
(http://www.oasis-open.org/committees/dsml/docs/DSMLv2.xsd)
DSMLとは?
DSML v1.0はディレクトリ・サービス情報を表現するためのものです。また、DSML v2.0はディレクトリを照会・修正する機能を提供するもので、LDAP
(Light Weight Directory Access Protocol)(注)を表現できるように設計されています。
DSML文書は、HTTPやSMTPなどの標準的なプロトコルを使って送受信でき、ディレクトリの照会、更新、操作の結果も表現できます。たとえば、XMLアプリケーションが発行したDSML形式の照会がHTTP経由でDSMLサービスに送られ、DSMLサービスはその照会をLDAPに変換し、ディレクトリから必要なデータを検索します。データはDSMLサービスに返され、DSML形式に変換されてHTTP経由でXMLアプリケーションに返されます。
(注)LDAPとは、ディレクトリ・サービスを実現するためのプロトコルで、データをツリー構造で管理します。
図1 DSMLの利用例
DSMLは各ディレクトリ・サービス間の違いを吸収するため、さまざまなディレクトリ・サービス製品の異なるディレクトリ構造を知る必要はなく、標準的な構造をベースにXMLアプリケーションの開発を行えるため、開発効率が高くなります。
やり取りされる要求・応答文書は以下のとおりです。
リスト1 DSML要求文書
<batchRequest xmlns="urn:oasis:names:tc:DSML:2:0:core">
<modifyRequest>…</modifyRequest>
<addRequest>…</addRequest>
<delRequest>…</delRequest>
<addRequest>…</addRequest>
</batchRequest> |
リスト2 DSML応答文書
<batchResponse xmlns="urn:oasis:names:tc:DSML:2:0:core">
<modifyResponse>…</modifyResponse>
<addResponse>…</addResponse>
<delResponse>…</delResponse>
<addResponse>…</addResponse>
</batchResponse> |
Novell、Sun Microsystems、Microsoft、Oracle、Bowstreetなど、多くの企業がDSMLをサポートしています。
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