ホーム > X-Plus > XML Square >  スタンダーズ

この記事を送る はてなブックマークに追加する BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録
テキストリンクコードを取得する

スタンダーズコーナー:OASIS規格解説 「ebXML」

2004年01月06日作成 

OASIS規格解説
ebXML (electronic business XML)
   

(株)日本ユニテック
青木 秀起

ebXMLとは、世界的な企業間電子商取引のための標準規格です。インターネットとXMLを利用した高度な検索機能を使い、世界的な規模でB2Bの電子商取引を行えます。現在、OASISで開発が進められています。ebXMLのアーキテクチャや規格内容については、弊社サイト(電子商取引のための注目規格ebXML、http://www.utj.co.jp/xml/bus/trend/xmlcul2_1.html)をご覧ください。

ebXMLとは?

ebXMLは、特定の業界にとどまらず、さまざまな業界の幅広いビジネスプロセスをカバーしている点に特徴があります。さまざまな業種業態で使用可能なスキーマやボキャブラリを定義しています。また、ebXMLは、SOAP+WSDL+UDDIが目指すことをもっと大規模に行うものですが、ebXMLはこれらの仕様にも対応しており、相互運用性は確保される予定です。

ebXMLの仕様は、OASISの5つの技術委員会、「ebXML CPPA」、「ebXML Implement」、「ebXML Messaging」、「ebXML Registry」で開発が進められています。OASISで開発されている仕様は以下のとおりです。

・ CPPA (Collaboration-Protocol Profile and Agreement Specification) Version 2.0 :ビジネス・サービス情報
・ MSG (Message Service Specification) Version 2.0:メッセージング
・ RIM (Registry Information Model) v2.0:レジストリの情報モデル
・ RS (Registry Services Specification) v2.0:レジストリ・サービス
・ BPSS (Business Process Specification Schema) Version 1.10:ビジネス・プロセス

ebXMLの歴史

1999年11月 OASISとUN/CEFACTが中心となってebXMLイニシアチブを設立。
2000年12月 ebXMLアジア会議が発足。
2001年 5月 ebXML1.0が承認され、ebXMLイニシアチブは解散。OASISとUN/CEFACTが分担して仕様の検討と管理を進める。
2002年 9月 電子商取引推進協議会 (ECOM) 、「ebXML相互接続テスト共通仕様書」第1.0版を公開し、相互接続実証実験に成功。
2003年 3月 ebXMLアジア会議、ebXML関連製品の相互接続性テストに成功。
2003年10月 OASIS、「ebXML Business Process (BP)」技術委員会を発足し、ebXMLのすべての開発を担うようになる。

このように、ebXMLイニシアチブの作業をOASISとUN/CEFACTが分担していましたが、2003年10月にOASISがすべての作業を行うようになりました。

他の規格との関連

◆SOAP
ebXMLでは、SOAPを拡張したメッセージ構造を使います。正確には、「Simple Object Access Protocol (SOAP) 1.1」と「SOAP Messages with Attachments」に準拠しています。メッセージ構造は図1のようになっています。


図1.ebXMLのメッセージ構造

◆UML (Unified Modeling Language)
ebXMLでは、UML(Unified Modeling Language)というオブジェクト指向のモデル記述言語を使用してビジネス・サービスを定義します。

UMLとは、互換性がなかった多数のオブジェクト指向分析・設計法の表記法を統一するため、1997年にOMG (Object Management Group) が標準化を開始したもので、2003年6月には「UML 2.0」が公開されています。UMLは、開発手法を定義するものではなく、システムをモデル化する際の図(ダイアグラム)の表記法を定義しています。UMLで定義されている図は表1の通りです。

構造図
クラス図
クラスおよびクラス間の関係の定義
オブジェクト図
オブジェクトの状態を表現
コンポーネント図
クラス図を物理的に表現したもの(コードモジュール)
配置図
システムの物理的な構成
振舞い図
ユースケース図
システムが何をするかのシナリオ
シーケンス図
実行される操作を時系列で表現
アクティビティ図
ワークフロー
コラボレーション図
実行される操作をオブジェクト中心に時系列で表現
ステートチャート図
オブジェクトの状態や遷移
モデル管理図
パッケージ
モデル要素をグループ化したもの
サブシステム
物理的なシステムの振舞いの単位を表現
モデル
物理的なシステムを抽象的に表現したもの
表1 UMLで定義されている図

まとめ

多くのベンダや標準化団体がebXMLを支持しており、デモや実証実験も活発に行われています。今後他の規格との相互運用性が確保され、実装も進み、理念通りの世界標準となるか注目です。




関連サービス

標準化仕様の動向調査
最新動向を伝えるDXメールニュース (無料)



この記事と関連の高い記事

関連キーワード:XML関連規格


関連キーワード:ebXML




ページトップへ戻る