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スタンダーズコーナー:OASIS規格解説 「WSRP」

2003年12月02日作成 

OASIS規格解説
WSRP (Web Services for Remote Portlets Specification)
   

(株)日本ユニテック
青木 秀起

WSRPとは、さまざまなAPIのWebアプリケーションをポータル上に統合するための仕様です。2003年9月にOASIS標準として承認されました。 (http://www.oasis-open.org/committees/tc_home.php?wg_abbrev=wsrp)

WSRPとは?

ポートレットとは、ポータル上に統合されるさまざまなWebアプリケーションのことです。たとえば、ニュース、住宅情報、株価情報など複数の独立したポートレットを、ある1つのポータルに統合することができます。通常、それぞれのポートレットは独自のインターフェイスや通信プロトコルを持っているため、統合するためのプログラミング作業が必要になります。しかしWSRPにより、簡単なマウス操作でポートレット(WSRPサービス)を発見し、画面上に配置して統合できるようになります(図1)。WSRPは、複雑なプログラミング作業なく、簡単にポートレットを統合できるようにするための技術なのです。


図1 WSRPサービスをポータルにプラグ&プレイする

ポートレットのAPIはさまざまなプログラミング言語で定義されていますが、WSRPはプラットフォームの違いを吸収することができます。そのために、WSRPはWebサービス技術を使用します(図2)。WSRPサービス・インターフェイスを記述するためにWSDLを、WSRPサービスを呼び出すためにSOAPバインディングを使用します。また、HTML、XHTML、VoiceXML、cHTMLなどに対応し、将来はWS-SecurityやWS-Policyにも対応する予定のようです。


図2WSRPと関連仕様

WSRPで定義されているインターフェイス

仕様書では、以下の4つのインターフェイスを定義しています。

サービス記述インターフェイス 必須。ポートレットのメタデータを取得する
ServiceDescription = getServiceDescription(RegistrationContext, desiredLocales );
マークアップインターフェイス 必須。ポートレットのマークアップを取得しユーザ対話を処理する
MarkupResponse = getMarkup(RegistrationContext, PortletContext, RuntimeContext,UserContext, MarkupParams);
BlockingInteractionResponse = performBlockingInteraction(RegistrationContext,PortletContext, RuntimeContext, UserContext,MarkupParams, InteractionParams);
ReturnAny = initCookie(RegistrationContext);
ReturnAny = releaseSessions (RegistrationContext, sessionIDs);
登録インターフェイス 任意。登録を確立・更新・破棄する
RegistrationContext = register(RegistrationData);
RegistrationState = modifyRegistration(RegistrationContext, RegistrationData);
ReturnAny = deregister(RegistrationContext);
ポートレット管理インターフェイス 任意。ポートレットのメタデータを取得し、コピーする
PortletDescriptionResponse = getPortletDescription(RegistrationContext, PortletContext,UserContext, desiredLocales );
PortletContext = clonePortlet(RegistrationContext, PortletContext, UserContext);
DestroyPortletsResponse = destroyPortlets (RegistrationContext, portletHandles);
PortletContext = setPortletProperties (RegistrationContext, PortletContext, UserContext,PropertyList);
PropertyList = getPortletProperties (RegistrationContext, PortletContext, UserContext,names);
PortletProperties DescriptionRespons e = getPortletPropertyDescription(RegistrationContext,PortletContext, UserContext, desiredLocales );
表1 WSRPで定義されているインターフェイス

まとめ

WSRPは、ポータル・サイト構築を容易にし、ポートレットの再利用性を高めるものです。実装が進むことが期待されます。




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