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戦国XML ~其の六 戦国XML時代 〜

2011年10月01日作成 

旗

永井紀章

ロゴ:やましぃ

数か月前には想像もできないような深刻な世の中になってしまった。今はいつ災害の直接的、あるいは間接的な被害に遭遇するか分からない、まさに戦国XML時代に突入してしまった。だが我々は今までの平安時代にも、さりげない日常の中に潜む合戦について考え、乱世に備えてきたのである。備えこそすれ、心配する必要は無い。いよいよXML武将の真の力が問われるこのご時世、どう行動すれば良いのか改めて昔の人々から学んでみたい。


1)闇の中でも自由自在に動くのだ

停電、節電でオフィスが真っ暗闇になってしまったらどうするのか?

戦国時代の戦いともなれば、夜間敵に見つからないように真っ暗な道を進むのは当たり前であった。そんな時、彼らはどうしたのだろうか?そんな状況ではやはり人の勘に頼るしかない。昔の人たちは現代人には想像もつかないくらい、闇に対する適応力を持っており、真っ暗の中でも道を進むことができたのだ。では我々はあきらめるしかないのだろうか、否、鍛えれば良いのだ。下手をすれば自宅より長く過ごしている自分のオフィス、しかし意外とレイアウトを分かっていない事が多い。普段と別の通路から席に戻ろうとして自分の列が分からなくなった経験をお持ちかもしれない。そんな事ではいけない。自分のオフィスの中くらいはノールックで歩けるようになりたいもの。日頃からトイレやコーヒーに行く時は目をつぶって歩く位の気概を見せていれば、停電で真っ暗の中、脱出しなければならない時にきっと役立つはずである。


2)水の流れを見極めるのだ

災害のためオフィスの水道が止まったらどうするのか。

水は重要。戦国では攻めて来る敵に水を渡さないために井戸を埋めたり隠したりした。では攻める側は見知らぬ敵地でどのように水を確保したのか。雨水や川の水が手に入らないなら、やはり何とかして地下水を探しあてるしかなかった。現代においても基本は同じである。現代の水の流れであるペットボトル運送ルートを知っておく事は肝要である。会社の水奉行(総務)であれば水の運送ルートは知っておくべきであろう。さらに昔も地元の者から水の場所を聞き出すのは効果的な方法だったであろう。よって現代でも日ごろから地元の商店との関係を培っておく事も重要かもしれない。彼らなら想像できないようなルートを知っているやも知れない。断水時に隠し井戸ならぬ、隠し自販機へと案内してくれるかもしれない。


3)絶体絶命の節電も考え次第、背水の陣で一気にバグを撃破するのだ

計画停電などで電気を使用できる時間が限られてくるかもしれない。XML武将にとって水よりも大事な電気。その基本的物資が乏しくなってくると、どうしても気持ちも小さくなりがちである。

だが、古代の大会戦のことを思い出してほしい。楚の将軍 項羽は、秦の大軍との決戦に向かうに際し、川を渡った後に三日分の食糧のみ残し、他の食糧、物資を全て船もろとも沈めた。三日のうちに敵を全滅させるか、あるいは自軍が全滅するか、絶体絶命の状況に置かれた項羽の軍隊は10倍近い敵に大勝をおさめたのである。

この教訓は今の時代にも当てはまるのではないか。変に余裕があるときにシステムトラブルやバグが発生する。(もちろん、納期が短すぎても大いに問題は起こるが。)だが、追い詰められたつもりでいても、ついついまだ徹夜でやれば何とかなる、と安易な気持ちを残してはいないか。そんなときに「明日は15時から電気が止まります」との伝令。もはや数時間の電気兵糧しか残っていない絶対絶命の危機である。圧倒的大軍のバグ部隊を「撃滅する」のか、あるいは哀れ電力がつき果てて「討ち死にする」か―だが、そんな時こそ、人は信じられないような力を発揮するものである。


4)もはやこれまで撤退を余儀なくされても、大逆転の好機とするのだ

だが最善を尽くしても、災害により武運つたなく仕事を変えなければならなかったり、会社が本社移転を余儀なくされる事もありうるかもしれない。

これまでのお得意先や、色々培って来た物を失うやもしれない。では全ては無駄であったのだろうか。いや、かの天下人となった家康も秀吉によって、長年かけて治めて来た豊かな東海地方から、当時まだ田舎だった江戸(関東)へと移転させられた。しかしこれを機に古い体制を一新し、新規開拓に励み、今日の関東地方の発展の基礎を作ったのは皆が知るところである。私達も新たな土地であきらめずに業務を続けていけば、いずれや再び天下をうかがう事ができるかもしれない。

今回は災害後という事で、写真なしの特集でスペース的にも大いに対策を考えることができた。ぜひ今後も粘り強く戦国XML時代を生き残って欲しい。





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