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FrameMaker攻略術:第4回 Web Works Publisher 機能紹介

2002年12月20日作成 


(株)日本ユニテック
天野 忍

FrameMaker(以下FM)の新バージョンFrameMaker6.0(以下FM6.0)から新たにバンドルされたWeb Works Publisher(以下WWP)。前回のコラムではその概略で紙面が尽きてしまった。今回はもう少し踏み込んで,その機能を紹介してみよう。なお本文中では便宜上HTMLへの変換を前提に記述しているが,そこをXMLと読み替えて頂いても基本的な作業は同じである。

前回の概略の説明の中で,WWPは「プロジェクト」と呼ばれる単位でファイルを管理していることについて述べた。このプロジェクトにはHTMLファイルへの変換に関係する全てのファイルや設定がひとまとめにされており,文書の効果的な運用に役立てることが出来るようになっている。

具体的にプロジェクトに含まれるものとしては,

  • FMの文書(ブック)ファイル
  • FMの文書(ブック)ファイルを変換するための対応表(FMでHTMLを出力する際の,リファレンスページにあるマッピングテーブルと同じ役割を果たすもの)
  • ファイルを変換する際に用いられるASPファイルやCSSファイル
  • 変換により作成されるHTMLファイルや,バックグランドで自動生成される画像ファイル

などがある。それらのファイルはWWPのプロジェクトウィンドウ(図1)でまとめて表示させ,各ファイルを確認することが可能だ。

図1:プロジェクトファイルに含まれるファイルの一覧表示

図2:プロジェクトファイルのオプション画面

プロジェクトファイルウィンドウにはオプションタブが用意されていて(図2),関連ファイルのロケーションの設定や,各生成ファイルの生成の条件や文字のエンコード,またFM+SGMLを使用した場合に段落タグとのマッピングではなくエレメントとのマッピングに切り替える設定などを確認し,編集することが出来るようになっている。

これは余談だが,WWPが自動的に作成する一時ファイルを覗いてみると,mifファイルが格納されていた。WWPの以前のバージョンもそうだったように,一度mifの形でHTML文書のレイアウトを実現してからHTML変換を行なっているようだ。このあたりは何らかの外部プログラムによりmifを編集してからWWPに渡すことにより応用が利くかもしれないという期待を抱かせるところだ。

さらに,プロジェクトファイルから各ファイルを選択して,プロパティの編集を行なうことも出来る。このプロパティには次の5種類の設定が用意されている。

  • マッピング
  • FM側の書式とHTMLのタグとの対応を設定することが出来る。段落書式や文字書式だけでなく,表書式やフォントのエンコードについてもタブを切り替えることにより対応している。

  • 出力
  • 出力されるHTMLファイルで使用されるページスタイルを対応付けて設定することが出来る。たとえば会社のロゴやナビゲートするボタンなどを定型として設定することが出来るようになっている。(もはやFMのハイパーテキストリンクや,他アプリケーションのVBAを使用することから開放されるのだ!)

  • 相互参照
  • FMで設定されている相互参照をHTMLでどのように表現するのかを設定することが出来る。特にFM文書においてはページに対する参照となっているが,それがHTMLになった場合の表現についてFMの相互参照の書式との対応で設定を編集することが可能だ

  • マクロ
  • 自動生成されるグラフィックの設定をこのプロパティで編集することが出来る。使用される色のパレットや解像度,gif・jpeg・pngといった各ファイルの切り替えや境界線や位置の設定について編集を行なうことが出来る

  • 一般情報
  • ファイルのロケーションやサイズ,最終更新日などを参照することが出来る

このようにFMのHTML書き出しの機能が補完され,様々な要求への現実的なソリューションをWWPによって実現できる可能性がある。現状のワークフローを再吟味して,よりスマートなパブリッシングシステムを構築していきたいものだ。





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