ホーム  > X-plus >  XML & パブリッシング

この記事を印刷する この記事を送る はてなブックマークに追加する
テキストリンクコードを取得する

ADOBE CREATIVE SUITE 3

2007年08月01日作成 

アドビシステムズ社(以降、アドビ社) CEOのブルース チゼン氏は「ADOBE CREATIVE SUITE 3(以降、Adobe CS3)は会社設立以来の25年間で最大のローンチ (Launch)です」と語っています。なぜ「最大のローンチ」なのでしょうか。この記事では、2007年6月下旬から出荷が予定されているAdobe CS3の概要や新機能を紹介します。

過去最多の同時製品発表

ご存知の通り、アドビ社は2005年4月にマクロメディア社の買収を発表しました。その買収完了後、初めて出荷される旧マクロメディア製品を含むスイート(SweetではなくてSuiteです)が、Adobe CS3です。
加えて、アドビ社にとって過去最多の同時製品発表ともなります。なぜならば、Adobe CS3は18の単体アプリケーションと、それらを組み合わせた5つのスイートから構成されているからです(製品構成については別表をご覧ください)。これは驚くべき数字ではないでしょうか。

Adobe CS3の特徴

まず感じるのは、アドビとマクロメディアという2つの企業が育ててきた製品の統合感であり、UIの統一感、製品間のスムーズな連携などが特徴となっています。
また、最新のOSやパーソナルコンピュータに対応しています。Windows Vistaはもちろんのこと、Macユーザー待望のインテル社製プロセッサを搭載したMacintosh(通称インテルMac)にも対応しています。
さらに、今回からパッケージの装いが新たになりアプリケーションごとのキーカラーが決まっていますし、アイコンも製品名をベースにしたデザインに変更されました。これまでの蝶や羽や花、古くはヴィーナスに慣れしんできたユーザーにはちょっと物足りないかもしれませんが。

新機能

使い勝手の向上という点に加えて、オッと声を上げてしまうような新機能があります。その中でも、ADOBE InDesign CS3、Illustrator CS3、Photoshop CS3に搭載された新機能のハイライトを紹介したいと思います。
InDesign CS3の新機能
● 透明およびオブジェクト効果
効果の種類にベベルとエンボスなどが加わりました。オブジェクトだけでなく、テキストフレームを対象に効果を設定することもできます。
● InDesignファイルの配置
InDesignファイルをInDesignの中に配置することができるようになりました。この機能により小ゲラ/大ゲラの組版が容易になります。
● 検索と置換
通常のテキスト検索に加えて、GREP検索(正規表現)、字形検索(GID/CIDも可)、オブジェクトの検索、文字種変換(半角カタカナを全角カタカナに)などかなりの機能強化が図られています。
● XML Rules
今回からXML Rules-Processing Engineが搭載されました。この詳細については別の機会に紹介できればと思います。
Illustrator CS3の新機能
● ライブカラー
ライブカラーダイヤログを利用することによって直感的にカラーバリエーションを作成することができます。構成するカラーのバランスを保持したままカラーを定義することもできますし、アートワークの減色も可能です。
● 消しゴムツール
ご存知の通りIllustratorのオブジェクトはパスで構成されているベクターグラフィックです。消しゴムツールはオブジェクト自体を削除できるだけでなく、オブジェクトの一部を消去することも可能です。まるでPhotoshopでピクセルを消すかのように。
● テキストのバージョン互換
Illustrator バージョン10までとCS以降ではテキストエンジンが異なっています。そのため以前のバージョンで作成したファイルをCS以降で開くと文字がずれる(リフローする)という問題が生じました。CS2までは手動で文字間隔を調整する必要がありましたが、CS3からはテキスト位置を元のまま配置できるようになりました。
PhotoshopCS3の新機能
● パフォーマンスの向上
豊富な機能と引き換えのパフォーマンスの低下にストレスを感じた方は少なくないと思います。CS3では起動時間が約20%、機能パフォーマンスが約40%改善されているそうです。確かに体感スピードが向上しています。
● スマートフィルタ
オブジェクトをスマートフィルタ用に変換することにより、非破壊でフィルタ処理を行えるようになりました。レイヤーパレットを使って複数のフィルタ効果の順番を入れ替えたり、非表示にしたりできます。
● 色調補正(モノクロ化)
色調補正に白黒化(モノクロ)機能が加わりました。各色(R,Y,G,C,B,M)の階調の調整を容易に行えます。さらに幾つかのプリセットが用意されています。
● トーンカーブ
トーンカーブダイヤログが強化されています。ヒストグラムを表示することができますし、各チャンネルごとの調整カーブを重ねて表示することが可能になりました。

まとめ

過去最多の同時製品発表数、ユニバーサルバイナリ(インテルMac)対応、幾つもの新機能に加えて既存機能の強化や使い勝手の向上。それが過去最大のバージョンアップであり、過去最大のローンチといわれる理由です。この記事では18もあるアプリケーションのうち3製品の、しかもほんの一部分しか紹介することができませんでしたが、Adobe Creative Suite 3の持つ魅力を垣間見ることができたのではないかと思います。アドビ社が掲げるテーマ「CREATIVE FREEDOM 自由×自在」の通り、Adobe Creative Suite 3はその使い手にとって有用な道具になることを期待できるはずです。

このパッケージショットは、Adobe Systems Incorporatedの許諾を得て使用しています。Adobe、AdobeロゴならびにCreativeSuiteはAdobe Systems Incorporatedの米国ならびに他の国における商標または登録商標です。





ページトップへ戻る