エンジニアのためのXMLスキーマ講座
第1回:XMLにおけるスキーマとは何か
(株)日本ユニテック
竹内 理
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スキーマの必要性
ご存知のように、XML1.0では、整形式XML文書という形でデータを書く場合に必ずしもスキーマは必要ではありません。しかし、実際の業務においてXMLを使用しようと考えているならばスキーマ、それもしっかりしたものが不可欠であるといえます。
それはなぜでしょうか?例をあげて考えてみましょう。
ある企業が他社とのデータ交換形式にXMLを採用する際、双方の企業において共通のDTDを作成します。双方の企業はそのDTDに沿ったXMLデータをやり取りすることになります。
これにより、まずデータの意味を共有することができるようになります。きまったDTDに沿っているXMLならば、だれが読んでも理解することができます。またXMLのどこにどんなタグが出現するかが解っていますからソフトウェアでの処理もより容易で確実なものとなります。DTDが無ければたとえある程度のルールがあったとしても、さまざまな問題が出てきます。例えば片方の企業が次々と新しいタグを使用してXML文書を作成し、相手の企業との食い違いが生じるかも知れません。そうなると相手の企業の人はそのXML文書を読んでも理解できません。また相手の企業のソフトウェアは新しく登場したタグを処理できませんから、そのタグに含まれている情報は結局欠落してしまいます。
さらにDTDに沿ったXMLをやりとりすることにより、より確実にデータを送受信することにもなります。データの送信側ではXMLがDTDに沿っているかを検証してから送信することができ、受信側でも受信するXMLがDTDに基づいているものかどうか検証することができます。このように確実にデータをやり取りすることができますから、データを処理するソフトウェアにかかる負担を軽減したり、データの欠落を防ぐことができます。
この例は非常に簡単なものですが、スキーマがXMLを用いた企業間、またはシステム間のやり取りに不可欠なものであることが理解できるでしょう。
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