エンジニアのためのXMLスキーマ講座
第1回:XMLにおけるスキーマとは何か
(株)日本ユニテック
竹内 理
目次<全7ページ>
スキーマ作成時に考えなければいけないこと
企業がXMLを採用しようとする際、こんな問題に陥ることがあるようです。現在流通しているデータをあれもこれも盛り込もうとして、スキーマが非常に複雑なものになってしまう。XMLの表現の可能性以上のものを実現しようとしてなかなかスキーマを決められない。関係する企業間で標準化をめぐる話し合いが進まずなかなかスキーマが作成できない…。では、良いスキーマをつくるために、どんなことを考える必要があるでしょうか。
まず、既に存在するスキーマの中で使えるものが無いか、もしくは参考にできるものが無いかどうかをよく考慮するという点です。すでにたくさんのスキーマがWeb上で公開されています。もしそのまま使用することができないとしても自分達の用途に適した形に変更することによって、一からスキーマを開発していくよりはるかに時間もコストも抑えることができます。
しかし、一からスキーマを開発しなければならないときもあるでしょう。そんなときにあまりにも先のこと、広い範囲のことを考えるなら先に述べたような問題におちいってしまうかもしれません。
ですから、現在見えている範囲でのスキーマを決めることが大切です。仮にもっと後になって別のスキーマに移行しなければならないとしても、XMLにはXSLTというデータ変換のための仕様が公開されています。これはあるスキーマのXML文書を別のDTDのXML文書に変換することができる仕組みです。これを使えば、このような問題にも柔軟に対処できます。
もちろん、出来上がったスキーマがソフトウェアにとっても人間にとっても解りやすいものであることが必要です。そうでなければ、せっかく苦労して作り上げたスキーマを処理するシステムの構築に大きな負担がかかり、結局そのスキーマは定着しないまま消えていってしまう…という事態に陥ってしまうかもしれません。
関連サービス
XMLスキーマの策定、作成業務
|