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1.XMLとは XML仕様制定までの歴史 2.XMLの長所 「拡張可能」と「意味情報」 3.文書における「内容」「構造」「体裁」の分離 XML文書の記述方法 4.XML宣言( XML declaration ) XMLインスタンス 5.DTD ( Document Type Definition ) の記述方法 6.検証済みXML文書と整形式XML文書 7.XML関連規格 まとめ |
先に述べたように、XMLはSGMLベースで開発された仕様であり、特定のソフトウェアに依存しないデータ形式である点を長所として上げることができるが、その他にもSGMLやその応用言語であるHTMLから多くの長所を引き継いでいる。
<HTMLからは次のような長所を引き継いでいる。>XML( eXtensible Markup Language )は、HTMLと同じくSGMLの流れをくむデータ記述言語であり、日本語で表すと「拡張可能マーク付け言語」となる。XMLは、HTMLと比較すると、「拡張可能」であり、「意味情報」を含めることができる。どのようにであろうか。HTMLとXMLを比較しながらみてみよう。
次の2つのタグ付けの例を見てほしい。
- HTML -
<HTML> <BODY> <H1>書籍情報</H1> <TABLE> <TR> <TD>書籍名</TD> <TD>定価</TD> <TD>著者</TD> </TR> <TR> <TD>標準XML完全解説</TD> <TD>2280円</TD> <TD>XML/SGMLサロン</TD> </TR> </TABLE> </BODY> </HTML> |
- XML -
<?xml version = "1.0" encoding = "Shift_JIS"?> <bookinfo genre = "computer"> <title>標準XML完全解説</title> <price>2280円</price> <author> XML/SGMLサロン</author> </bookinfo> |
HTMLではタグ名はあらかじめ決められたものしか使用することができない。したがって、人間はその内容をブラウザに表示させることによって確認していた。つまり、HTMLのタグ名は表現情報を表しており、タグによってマークアップされている情報の意味は人間が実際にブラウザで見て初めて認識できているのである。
一方、同じ情報をXMLでマークアップするとどうであろうか。
XMLでは、タグ名を自由に決めることができるため、目的に応じたタグを定義して使用することができる。したがって上図のようなマークアップが可能となるわけである。たとえば、
<price>2280円</price> |
の場合、"2280円"という文字列の意味をタグ名が与えている。つまり、"2280円"という情報についての情報をタグ名が与えているのである。この行を見れば人間は"2280円"という情報が「定価」を表すものであることをタグ名から知ることができる。このような時、「タグが意味情報をもつ」と考えてよい。このようにXMLを使用してマークアップすると、タグ名をHTMLのように表現情報として利用するのではなく、意味情報として利用することになる。
この違いはプログラムからデータを処理する際に大きな違いとなって現れる。データをXMLでマークアップしておけば、個々の情報に意味情報のタグがついているのでプログラムから正確にデータ処理をすることが可能になるのである。